*制服のボタン*バレンタインの憂鬱*陵弥
部屋に入るとヒーターのスイッチを入れる。
寒がりの凜花は、温風が放たれるまで、身体をすり寄せてくる。
「凜花の髪ずいぶん伸びたな…」
凜花は半年前、背中まであった長い髪をバッサリ切った。
俺のせいで傷付けたから…
正直、ショックだった。
俺の制服のボタンに絡んだ、綺麗な長い髪だったから。
そんな事を思い出しながら、凜花の髪に指先を通す。
フッ…凜花が意識し出した。
男を切らした事のない噂の女だった癖に。
全然、男慣れしてないつうか…
無性に凜花に触れたいって衝動に駆られ。
目を伏せて凜花を引き寄せ唇を重ねる。
「凜花…温まろ…」
俺がそう言うと凜花は。
「…ぅん…」
小さく頷いた凜花の手を引き、奥の部屋へ引き入れた。
甘いキスをして。
上着を脱がす、ブラウスのリボンに手をかけ抜き取る。
ボタンを外して首にキスをすると。
「やっぱヤダ!寒ぃー!」
って、はぁぁぁ!?