【いつきの小説講座】巻ノ弐
皆様いかがお過ごしでしょうか。
ご無沙汰をしておりました、五十夜です。
すみません、このところ事件が立て続けに起こりましてなかなかこちらに伺うことが出来ずにいました。
このご時世仕事に暇がないのは本来良いことなのでしょうが、いかんせん職業柄、出来れば年中暇でありたいものです。
さて、本日は──
(ぼろぼろの手帳をぺらぺらとめくる)
──【香風りり】さんからの質問ですね。
ふむふむ。
彼女からの質問は
『描写の程度』
についてですね。
この描写というのは作家の前に常に聳(そび)え立つ壁であり、乗り越えたと思ってもすぐにまた新しい壁が生まれてしまうもの。
けれども小説家として決して避けては通れぬものでもあります。
今回はその中でも特に
『作品の色(雰囲気)によって変化する描写』
についてお話していきます。
では、いつものような例文から。
今回は主人公が走っているシーンで行きましょう。
最初に重厚な雰囲気を。
そして次にそれより少し軽めの雰囲気で同じ場面を描写していきます。