白球ノート


やっぱりサオの信じる気持ちは選手に届いて、
3番打者はショートゴロ、4番打者はセンターフライで終わった。


先制点をあげる事なく終わったベンチは意気揚々としていて、
先制点を取ることでみんな一致団結していたんだ。


一番打者のうちの斬り込み隊長、
龍ちゃんはバッドを振り回しながらバッターボックスへ向かって行った。

龍ちゃんに続いてネクストバッターサークルに向かう和哉が少し震えていた。


龍ちゃんが塁に出れば、必ず足の速さとバントの上手さでは負けない和哉が繋いでくれる。

みんなは2人を信じてベンチから送り出したんだ。


斬り込み隊長はお調子者だから、
バッターボックスに立つと必ず笑う。


「何も考えない方が打てるんだ」


そんな事をよく言っているけど、
本当は自分をリラックスさせるための言葉の魔法だよ、
ってサオが教えてくれたよね。


先輩たちの代から
ずっと1番打者を任されてきて、
プレッシャーがないわけじゃない。


誰よりも先に相手ピッチャーに戦いを挑む。


緊張の中をいつもたった1人で戦ってきた龍ちゃんは、
いつも笑ってバットを構える。


でもピッチャーの手からボールが離れた瞬間、
一重の目が一気に鋭さを増す。

ボールを見つめ、
バットを軽やかに振る。


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