白球ノート
最初の一球で調子の上がったヒデは最初の打者を空振り三振に終えた。
少し安心して胸を撫で下ろしたのが間違いだった。
2番打者にレフト前ヒットを打たれ、
1アウト1塁。
先制点ともなってしまう打者を出してしまう。
すこし震えた手を一生懸命押さえようとして、
サオの姿に目を移す。
サオは焦る様子もなく、
みんなを見つめていたよね。
選手を信じている証拠だな、
って思ったの。
まだ1回表、
考えればこっちの攻撃だってあと9回残ってる。
でもたった1人打者が出るだけで、
焦ってしまう私はまだ未熟なマネージャーかもしれない。
サオのように、
自信をもって選手を見守るマネージャーになりたい。
あの場面でサオはきっとこの回は抑えられる、
って信じてたよね。
一緒にやってきた選手に自信を持ってたんだよね。
サオの真っ直ぐでストレートな気持ちを私は見習わなきゃならない。