幸せの契約
どこをどう歩いたのかなんて全く分からない


ただ回廊も窓枠ひとつまでしっかりと装飾されていて

目を奪われてばかり




芳賀さんは廊下の突き当たりの部屋の前で足を止めた
コンコン
軽やかにノックする

「はい。」

中から返ってくるのは男性の声


「失礼します。芳賀です。平瀬様をお連れいたしました。」


「どうぞ。」


返事を待って
芳賀さんがドアを押した


「どうぞ、平瀬様。お入りください。」


促されて
ゆっくり部屋に足を踏み入れた



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