職場内恋愛
「疲れましたね」
『そうですね』
『最近どうですか?』
「まあまあ充実してます」
なんなんだ、この会話。
不自然にもほどがあるだろう。
俺も奈々も何を言えばいいのか分からなくて。
でも黙ると余計気まずくて。
何か話題はないのかと懸命に探す。
「あ、着きましたね」
エレベーターが4階に着く。
ふぅ~
なんとか沈黙だけは間逃れた。
『じゃあ俺は上の階の男子の部屋見てきます。
橋野先生はこの階の女子の部屋をお願いします』
俺は4階で降り、階段を昇る。
なぜか鼓動の速さは変わらなくて。
相変わらず、ドキドキしている。
どうしたんだ、俺。
もうドキドキしなくていいはずなのに。
『あーセンセー!!』