職場内恋愛
『……ただいま』
あれから頭が真っ白な状態で車を運転して、無事に家に着く。
『おかえり!随分遅かったなぁ!
今日はシチューだぞー!』
なんて涼の明るい声。
『…悪い。いらない』
なんでアイツはいつもあんなに明るくいられるんだろうか。
あんなテンションでいて疲れないんだろうか。
そんなことをふと、思った。
『どうした~?優作~』
自分の部屋のドアノブを握ったと同時に涼の明るい声が届く。
『…なんでもない』
ドアノブを握り直す。
さっきのことはとても言えない。
あんなの、言えるワケがない。
『なんでもないならメシ食え。
お前の俺のお手製ビーフシチューが食えないって言うのか?』