職場内恋愛
どうしてこうなっちゃうんだ。
メシなんて食える心境じゃないのに。
結局、半強制的に涼にメシを食わされる。
確かに、コイツお手製ビーフシチューはうまい。
うまいけど、でも…食べたくなかった。
部屋にこもって、ぼーっとしたかったのに。
『お前、奈々ちゃんに何した?』
やっとの思いで皿を空っぽにした俺の前に座る涼。
その目は真剣で。
『別になんもしてねぇーよ』
ただ名前で呼んでくれ、って頼んだだけ。
ただ、それだけなんだ。
『そ。
じゃあどうしてお前はそんな目、してんだよ?』
どんな目だよ、なんて聞かなくても分かった。
自分でも分かってる。
きっと、生気が抜けたようなそんな目をしているんだろう。