職場内恋愛




どうしてこうなっちゃうんだ。

メシなんて食える心境じゃないのに。



結局、半強制的に涼にメシを食わされる。



確かに、コイツお手製ビーフシチューはうまい。

うまいけど、でも…食べたくなかった。


部屋にこもって、ぼーっとしたかったのに。




『お前、奈々ちゃんに何した?』


やっとの思いで皿を空っぽにした俺の前に座る涼。

その目は真剣で。



『別になんもしてねぇーよ』


ただ名前で呼んでくれ、って頼んだだけ。

ただ、それだけなんだ。



『そ。

じゃあどうしてお前はそんな目、してんだよ?』


どんな目だよ、なんて聞かなくても分かった。


自分でも分かってる。


きっと、生気が抜けたようなそんな目をしているんだろう。









< 293 / 425 >

この作品をシェア

pagetop