職場内恋愛
『なんでお前…そのこと…』
『知ってるよ、もちろん。
センセーが俺のこと知ってるのに
俺はセンセーのこと知らない、っていうのフェアじゃないからね』
はぁ?!
フェアとかアンフェアとかの問題か?!
『京地か?京地から聞いたのか?』
『……残念ながら違うよ。
俺がそう思っただけ。
あ、でも真には一応確認したけどね』
なんてことだ…
生徒がそんなこと、知ってるのか。
と、思いながらもバレてるのなら仕方ない、と腹をくくって相原の質問に答える。
『遠距離って一言で言っても
子どもの遠距離と大人の遠距離はまったく別のもんだから。
俺には距離なんて関係ない』
『カッコイイこと言うね~センセーは。
俺、告白すること決めたのはいいけど不安でたまらないよ』
『大丈夫だよ、相原と京地は。
2人ともいいヤツだから。
絶対うまくいく』
そう俺が言い切ると相原は嬉しそうに俺を見上げていった。
『じゃあ俺と真がうまく行くように、応援しててね、センセー』
俺は相原と握手を交わす。
そして空になった教室を見て、
もう卒業か、なんて黄昏れていた。