職場内恋愛





「なんだか…凛々しく見えますね」


卒業式は独特な雰囲気を漂わせたまま、トラブルもなく進んでいた。

そんなとき、隣に座った山崎先生が囁く。



『そうですね。

1年生の頃から知ってるんでなんだか思い入れが…』


「分かります。

最後のホームルーム泣いちゃいそうですよ」


そう言いながら山崎先生はハンカチで目元を拭う。


こりゃあホームルーム、大泣きだな。

あ、でもそのあとのほうが泣いちゃうかもしれないな。


涼、そろそろ告白するんだろうし。

2人には絶対に幸せになってほしい。

涼も、山崎先生も俺にとって大切な人だから。



『次は3年生の答辞です。

3年生代表3年1組京地真さん』


そして卒業式の中盤。

京地の名前が呼ばれる。


学年でも目立っていた京地は当然のごとく、答辞を読むことになった。


最初は文句タラタラだったが

やはりアイツはすげぇヤツで。


考えた答辞はなかなかの出来だった。









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