職場内恋愛
『どれくらい、美優が入院してたか分からない。
でも俺は毎日美優のところへ通った。
だから感じてた。
肌に染みるくらいに、感じてた。
日に日に美優の視界が狭まっていること。
日に日に美優の元気がなくなっていくこと。
目を瞑りたくなることも
病室に行きたくないこともあった。
でも俺は決めてたから。
『美優の傍を離れない』
って。
涼に目を覚ましてもらってから俺はそう決めてたから。
逃げ出したかったけど
俺は逃げなかった』
あの頃には美優の視界は普通の人の半分以下になっていた。
本人も気づいてて
無理して作った笑顔が痛かった。
でも俺はいつも通り、美優に接していた。
それが1番、いいと思ったから。
変に気なんて遣いたくなくて。
だから、いつも通りに接していた。