職場内恋愛
『それから半年』
俺は再び口を開いた。
『優作…??』
涼の心配そうな声
それを手で制し、言葉を続ける。
『涼が深刻そうな顔して俺のところ来て、言ったんだ。
「美優の目が覚めた」
って。』
あのときの衝撃を今もまだ、覚えている。
半年間、病院には行かなかったものの美優のことは常に頭にあって。
だから、ビックリしたんだ。
あのときはホントに。
『でも、おかしいだろ?
美優の目は覚めたのに涼、深刻そうな顔…してたんだぜ?
だからそれだけじゃないんだろうな…
俺、そう思ってた。
そしたら案の定。
涼…言ったんだよ。
「美優の記憶がない」
ってな。』
目が覚めたことより
記憶がないことを聞いたときのほうが
衝撃は大きかった。