職場内恋愛
『優作は別れたくない、そう言った。
でももう会いに来ないでくれの一点張りだった、美優のお母さんは。
何度優作が美優に逢いに来ても追い返されて。
俺、そのとき美優のお母さんに聞いたんだ。
どうして優作にあんなことを言ったんだ、
なんで美優と逢わせてあげないんだ、
って。
そしたら美優のお母さん、言ったんだよ。
いつまでも美優に縛られてちゃ優作くんの将来が台無しになる。
美優はそんなこと、望んでないと思うから。
って。』
初耳だった。
美優のお母さんがそんなことを思っていたなんて
俺は、知らなかった。
まさか…俺のことを思ってあんなことを言っただなんて。
俺はなんて恩知らずなヤツなんだ。
『優作、懲りずに1ヶ月通い続けた。
それでも美優のお母さんは決して、優作を美優に逢わせなかったんだ。』
あの頃の俺は若すぎた。
だからまだ何も分かってなかったんだ。