憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
「ココ!ネバダって・・ 泊まりでしょ?」

と小声で話しているがブライアンに筒ぬけのハンナ

「そうだよ? ラスベガスでショーも見れるみたいだし、せっかくだからグランドキャニオンにも行こうかなって・・」

掲示板から目を離さず、普通に答えるココ

そんなココにため息をつき、ハンナはさらに小声でブライアンに話しかけた

「どういうつもり! あんた達付き合ってるわけじゃないでしょ?」

「だね・・ 周りからはそう思われていないみたいだけど・・」

と苦笑いのブライアン

「それなのに、泊まりで引っ張り出すってどういうこと!」

カウントダウンの夜、二人は一夜を過ごしたのに、いまだに付き合っていない事が気に入らないハンナ

「そろそろ本気なところをココに知ってほしいんだよ 週明けに一緒に登校するから、楽しみにしていてよ」

とブライアンはハンナに笑顔を見せ

「ココ、写し終わった?」

「え? あっ・・待って・・・ うん、終わった・・」

「じゃあ行こうか? うちのジェットだから時間に厳しくはないけど、航空スケジュールがあるからあんまり遅れるわけにはいかないんだ」

とブライアンはココの背中に手をやりエスコートする

ブライアンのほうがココに夢中なのは知っていたけど、ここまでするとは・・

ハンナは感心しながらふたりを見送ったのだった

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