憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
ココの行動の速さは天下一品だった
ジョーとケーゴを空港で見送ったその足で高校に出向き退学の手続きを取った
そして、電話を掛けたのはブライアン
彼は何もいわず、ただ微笑んでココをLAまで送ってくれたのだ
プライベートジェットで・・
実際には、LAでペントハウスまで用意する勢いだったのだが、それを申し出た時のココの笑顔を見て引き下がったのだ
ふたりに別れの言葉はなかった
というか、ブライアンがそういう空気に持っていかなかったのだ
特にココからなにも聞かされず、Seattleの高校から退学の知らせを受けた両親は驚き、すぐにマロンと連絡を取ったのだ
そしてマロンから
「ココはLAに行くって言っていた」
と聞き、賢治に連絡を取ったのだった
“ワガママっぷりは姫花以上だな・・”
とため息をついた賢治は、ココの後姿を視界に入れながら携帯のアドレスから引き出した番号に掛ける
「ちょっと!! 早く出なさいよ!!」
久しぶりに聞いた幼なじみの声
その後ろで
「おい!賢治か!! あ? 賢治からなのか?」
とあまり聞きたくない声も耳に入ってくる
携帯の向こうの光景が簡単に浮かんでくる・・・
賢治はため息をつきながら
「ちょっと落ち着けよ・・」
と話すと
「落ち着けって、無理でしょ? ちょっとココは? ココはそこに行ってるの?」
と焦った姫花の声がする
・・と思ったら
「あ!ちょっと!!返しなさい!!」
携帯の向こうで姫花の怒った声になり
「あ? 賢さん? 俺、廉」
とやっと落ち着いた声が賢治の耳に入ってきたのだった
ジョーとケーゴを空港で見送ったその足で高校に出向き退学の手続きを取った
そして、電話を掛けたのはブライアン
彼は何もいわず、ただ微笑んでココをLAまで送ってくれたのだ
プライベートジェットで・・
実際には、LAでペントハウスまで用意する勢いだったのだが、それを申し出た時のココの笑顔を見て引き下がったのだ
ふたりに別れの言葉はなかった
というか、ブライアンがそういう空気に持っていかなかったのだ
特にココからなにも聞かされず、Seattleの高校から退学の知らせを受けた両親は驚き、すぐにマロンと連絡を取ったのだ
そしてマロンから
「ココはLAに行くって言っていた」
と聞き、賢治に連絡を取ったのだった
“ワガママっぷりは姫花以上だな・・”
とため息をついた賢治は、ココの後姿を視界に入れながら携帯のアドレスから引き出した番号に掛ける
「ちょっと!! 早く出なさいよ!!」
久しぶりに聞いた幼なじみの声
その後ろで
「おい!賢治か!! あ? 賢治からなのか?」
とあまり聞きたくない声も耳に入ってくる
携帯の向こうの光景が簡単に浮かんでくる・・・
賢治はため息をつきながら
「ちょっと落ち着けよ・・」
と話すと
「落ち着けって、無理でしょ? ちょっとココは? ココはそこに行ってるの?」
と焦った姫花の声がする
・・と思ったら
「あ!ちょっと!!返しなさい!!」
携帯の向こうで姫花の怒った声になり
「あ? 賢さん? 俺、廉」
とやっと落ち着いた声が賢治の耳に入ってきたのだった