【短】空っぽの少年



「……はぁ」


今はもう夕方の6時。

今日は本当に仕事に集中出来なかった。




隣にいた坪内さんに何回どやされたことだろう…







マンションの前に立つ。


オートロックの扉を開ける指が重かった。








今朝、逃げるように飛び出して来たからな…

きっとレオ、怒ってるよね?




一つ、深いため息をつく。





ガチャ…
「た…ただいま…?」


控えめにドアを開けて、尋ねるように声を出した。



すぐに中からドタドタと足音が近づいて来る。



「おかえりなさい、真穂子さん!」

満面の笑みで笑う彼を見ると、目頭がグッと熱くなった。



「…レオッ」

「真穂子さん?
どうしたの?」

レオは首をかしげて私の側に寄る。



「真穂子さん?」

「レオ…ごめんね」

ポロポロと瞳から涙が溢れた。


するとレオも戸惑ったようにオロオロし始める。



「なにが?」

「あたし…




レオのこと…」


「………?」

「うぅぅ」

言葉を途切れ途切れに、何度もごめんなさいを口にした。

< 17 / 22 >

この作品をシェア

pagetop