【短】空っぽの少年
「……はぁ」
今はもう夕方の6時。
今日は本当に仕事に集中出来なかった。
隣にいた坪内さんに何回どやされたことだろう…
マンションの前に立つ。
オートロックの扉を開ける指が重かった。
今朝、逃げるように飛び出して来たからな…
きっとレオ、怒ってるよね?
一つ、深いため息をつく。
ガチャ…
「た…ただいま…?」
控えめにドアを開けて、尋ねるように声を出した。
すぐに中からドタドタと足音が近づいて来る。
「おかえりなさい、真穂子さん!」
満面の笑みで笑う彼を見ると、目頭がグッと熱くなった。
「…レオッ」
「真穂子さん?
どうしたの?」
レオは首をかしげて私の側に寄る。
「真穂子さん?」
「レオ…ごめんね」
ポロポロと瞳から涙が溢れた。
するとレオも戸惑ったようにオロオロし始める。
「なにが?」
「あたし…
レオのこと…」
「………?」
「うぅぅ」
言葉を途切れ途切れに、何度もごめんなさいを口にした。