葬儀屋少女
「相変わらず、下品な食べ方」

「魂は食べる気しないから、肉を食ったまで。」

青年の口元は赤で染まっていた。
足元にも、夥しい血。

「骨まで食べるなんて…信じられなくてよ…。」

「…俺は、あんたを食いたいけどね。」

青年は少女の耳元で囁く。

「魂も、肉も、骨も……、一番は、体も―…」

「…やめてちょうだい。」

「…」

青年は苦笑いをした。
ホンキ、なんだけどな―…。

青年と少女はバラを散らせ、赤い彼岸花を添え、その場をあとにした。


恋は前途多難。
なんてことだろうか。
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