幼かったあの頃
箒で掃いている途中、同じ班の男の子3人が上ってくるのが見えたが黙々と掃除をしていた。

すると1人の男の子が2階で止まって私が掃いた後をせっせと雑巾をかけ始めた。

その子と目が合ったけど私は箒を、彼は雑巾を喋ることなく真面目にやった。


ふぅ…後は、ちりとり…。

だけどなかなか最後のゴミがちりとりに入ってくれない…。

すると雑巾が終わったのか彼がすっとちりとりを持ってくれた。

私がびっくりしてると彼と目が合って…

「持っててあげる。」

「あ、ありがと…」

私は残っていたゴミをちりとりに入れた。

「じゃあ、これはゴミ箱に捨ててくるから。」

「えっ、あっ…」

にっこり笑顔を残して彼はちりとりを持って去って行き、そのまま雑巾を洗いに行った。

お礼ちゃんと言えなかった…。名前分かんないから呼べないし…。明日また話せたらいいなぁ。

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