胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


「キス…………した………」


たっくんの声は


静かな部屋に響く。



私は、頭の中が真っ白になった。


予想してたけど


やっぱり信じてなかった。



してないって答えを待ってたんだ…







「待てよ!!違うって!!話、聞けよ!ゆかり…!」




廊下に響き渡るたっくんの声を

聞かないように

聞かないように


とにかく走ってエレベーターに乗った。




私は、ものすごい速さで服を着て、荷物を持って部屋を飛び出したんだ。



追ってくるたっくんの言葉は、エレベーターが閉まっても聞こえてしまう。



「ゆかりを愛してる!話、聞いてくれよ。」


溢れる涙を持っていた私のキャミソールで拭う。


…手に持っていたのは


私のキャミじゃなく…


大好きなたっくんの白のTシャツ。




私はそのTシャツを抱きしめて、エレベーターの中でしゃがみ込んで泣いた。


Tシャツには…


たっくんの匂いが染み付いてた。



たっくんのタバコの匂い…

ほんのり香る香水…



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