胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
会計を済ませた先生に、お礼を言おうと振り向いた時…


先生が俺の手を引っ張った。



先にお礼を言ったゆかり達は、川を泳ぐ鯉の群れを見ながら騒いでいた。




「しっかり捕まえとけよ!お前の誠意を見せる時だろ…」


先生は俺の肩に手を置いて、低い声でそう言った。



「一度見たら、また見るぞ。もうお前を信じられなくなってる。お前が、あいつを変えなきゃ、誰も変えられない。」



…誰も変えられない。



俺なら変えられるのか?



俺を信じさせる為に何ができる?





先生に聞きたいことが山ほどあったが、俺は先生のその言葉がもらえただけでも満足だった。


先生は、鯉の大きさに興奮気味の直に近づき、鯉の真似をして笑ってた。



俺は


そっとゆかりの手を握った。




驚いたように俺を見たゆかりの目に涙がたまっていて、俺まで泣きそうになった。



全ての始まりは、恵とのこと。


あれから俺達の歯車が狂い始めた。




だけど、過去に戻りたいとは思わない。


なぁ、ゆかりもそうだろ?



過去に戻りたくはない。



だって、今の方が


ずっと ゆかりを好きだから。




昔より今の方が、2人の絆が強くなっていることは


俺もゆかりもちゃんとわかってる。















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