求命
自然の摂理
水が高きところから低きところを目指すように、男は家族の為と言うより、むしろ快楽を求める事に重きを置くようになっていた。例え金目の物を持っていなくても、細く白い首筋に力を込めたい、その欲求の方が強くなっていった。
一人、また一人。細く白い首が折られていく。それは異常な事だ。男の住んでいる街は、そんなに大きな方ではない。そんな大きくない街で、何人もの女が殺されれば、誰と言うわけでもなく、犯人を捜そうと言う声があがるのも当然の事だった。
< 4 / 69 >

この作品をシェア

pagetop