★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
やだよ、泣きたくないのに。
こんな泣き虫じゃないのに…
「ごめん。」
「え……?」
―――――――ぎゅっ。
泣いてる状況じゃなくなった。
突然、高原さんは謝ったと思ったら…
また甘い香りに包まれたと思ったら…
私、高原さんの胸の中でした。
どういうこと?
どういうこと?
何で何で何で、何で私なんかを抱きしめ…
「えみチャン、聞いて?」
「は、はい。」
頭の上で高原さんの低くて甘い声が聞こえる。
その間にも、私の心臓は大暴れ。
「俺、えみチャンが笑ってくれると…めちゃくちゃ嬉しくなるんだ。」
高原さんは、私が舞い上がってしまいそうに嬉しいことを言う。
「初めてえみチャンが俺の作ったスイーツを食べてくれた時の笑顔、…もっと見たいって思った。」
そ、そうなんですか??
初めてしった。
「えみチャンと一緒にいると、すごい居心地がいいんだ。」
そんな…そんな…
高原さんっ、やめて。私そんなたいそうな女の子じゃないですから!