すき、好き、もっとスキ。


「どうしたんですか? あ! あたし、また何かミスしてました?」

『あはは、違うよー』



あたしがしたミスを加山さんにバレないように片付けてくれたりする、本当に優しい先輩。



『梢ちゃん、今なにしてた?』

「え? ボーッとしてました」

『え? ボーッとしてたの?』

「はい」

『何かしようよー』

「あ、ですよね」



さすがに、ボーッとしながら璃久との妄想物語を考えていた……なんて言えるわけもなく。



『ってことは今、暇って事だよね?』

「あ、暇ですよー」

『ならさ、ちょっと出て来ない?』



どうせ、このまま部屋に居たって璃久の事を考えて悶々とするだけだし。

明日も璃久に会えないから暇だし。

何の予定もないから遅くなっても平気だし。



「はい、行きますー!」



そう返事をした。

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