すき、好き、もっとスキ。



「神楽君っ!」



可愛らしい女の子の声が聞こえると、璃久は振り返る。


ちょっ、また!?


こんなことを思うのは、さっきから何度も璃久が女の子に呼ばれているから。


高校生になった璃久は、おモテになるようで。

へへー、羨ましいことですわね。


なーんて、ここまで“神楽君”コールがかかると卑屈にもなるよ!


さっき璃久との感動の再会? を果たしたあたしだったけど。

何故か璃久に、この旅行中話しかけるな! って言われて。

しかも話しかけたら当分会わない、とかまで言われて。


気分はどん底。

どん底なんだよ?


どん底っていったら、これ以上の底はないってことなんだよ!



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