すき、好き、もっとスキ。



何よ、あわよくば浮気してやろうとか思ってんの!?


もー! 信じらんないっ!


一人プンプン怒るあたしになんて見向きもせず、
視界に入る璃久は女の子と喋ったまま。

そんなあたしに気付かないで、
楽しそうに話してる璃久もムカツクし。

こうやってここで見ているだけのあたしもムカツク。



昔は……、あたしが高校生だった時なら、
すぐにでも璃久に飛び付けれたのに。



隣で煩かっただけかもしれないけど、
それでもこうして見つめているよりも何百倍もマシだった……と、思う、あたし的には。



それより聞いてないんですけど。



こんなにモテてるとか。

前に女の子と仲良いの? って聞いた時『別に』って言ってたじゃん!


璃久の嘘つきー!


やっぱりモテんじゃんか。

何なのよ、もう!



……そこは、あたしの位置なのに。



何だか泣きそうになってくる。

璃久達が見学する間、後ろを付いて回るだけのバスガイドのあたしに。

それを見るだけしか出来ないあたしに。

こんなに哀しい気持ちになってることに気付いて貰えないあたしに。





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