すき、好き、もっとスキ。



梢が高校卒業後、就職したのは小さな観光バス会社。


ほんま、めっちゃ阿呆な梢が就職出来たって言うた時は、安心した。

驚くとか、そんなんよりも安心。

中学生レベルの問題も出気ひんくらいの、ほんまの阿呆やってんから。


まぁ、その後すぐに思った事は、不安やったけど。

就職は出来たけど、続くんか? って、不安。


だけど、そんな不安なんて心配いらんかった。


梢は阿呆やけど、自分が頑張るって決めた事だけはやる女やった。


それの基準はイマイチよぅわからんけど。



特に俺を追いかけるところなんて、まるでストーカーやったもんな。


「好きじゃない」

そう言っても

「嫌いじゃないんだよね?」

とか超プラス思考で。


「帰れ」って言っても俺にくっ付いて離れへんし。


押されまくって、気付けば付き合ってて。
押されまくって、気付けば好きになってて。



こうして考えると、梢の思うツボやんけ。



そんな梢に仕事は、それと同じくらい頑張れるもんやったらしく。


「休みが全然なぁーい」とか泣きながらも、休めへんし。

「試験に合格できなーい」とか言いながらも勉強してるし。


ほんまに頑張ってたんを見てきたから。

めちゃくちゃ応援してる、俺なりに。



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