すき、好き、もっとスキ。



「あ、神楽君!」



ホテルも戻って、風呂上り。

廊下を歩いていたら、聞きなれへん声が俺を呼んだ。

振り返ると、松永がそこに居て。


……なに?

そう聞こうと思ったら



「ちょっと話あるんだけど、良いかな?」



と、先に松永に言われて、その勢いに思わず頷いてしまった。



「ここじゃマズイから、こっち」



そう言われて付いて行ったのは薄暗い照明の階段。



「で、なに?」



そう聞いた俺に、



「あのね今度、私の友達と一緒に遊園地に行かない?」



にっこりと笑って、そう言った。



「遊園地?」



怪訝な顔をしてしまった俺に、松永は慌てて付け加える。


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