気づけば、あなたが
陽介は、杏の方へ
顔を向けていた。


杏・・・


声をかければ
良かったのかも・・・



陽介は後悔した。



何で前のように、
「元気か!」って
言えなかったんだ・・・・・・



陽介は、
自分の不甲斐なさに
またも腹がたった。



杏はチラッと 陽介の方を見て
目が合うのを避けるために すぐに視線を別にもっていった。



そして そのまま
教室に向かった。




陽介は、そんな杏の後ろ姿を ぼんやり見つめていた。



・・・いつになれば
元通りに戻れるんだ・・・・・・



自分が壊してしまった信頼を
どこで取り戻せばいいのか・・・


陽介は
そのことで頭が
いっぱいだった。




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