なくした記憶
こうして七瀬が熱を出している間
俺は七瀬として生きて秀を騙し
今まで七瀬が秀としてきたことをした

もちろんそんなのは長くは続くはずはなく
七瀬は熱が下がるとすぐ髪を切った
多分俺と自分を秀に分かってほしかったからだろう

そして幸せの終わる誕生日

「ねぇねぇ七瀬ちゃん今日、お誕生日だよね」

「うん!10歳になるの!おねぇちゃんもだよ」

「だから、お誕生日のプレゼント買いにいかない?」

「えっいいの?」

「うん!この日のためにおこずかいためたんだよ」

「ありがとぉ秀くん、おねぇちゃんも行こうよ」

七瀬の最後の一言で秀は俺の所をにらんできたように思えた

「わ、私はいいよ」

「えーなんで?」

「いこうよとまりちゃん」

まさか秀から誘われるとは思わなかった
今まで邪魔者あつかいだったから
思わずのってしまった
「じゃぁ」
それが秀の恐ろしい誘いだとも思わずに











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