死に神の涙
「警察が三人に何の用で…?」
「心配しないで下さい。逮捕する訳ではありませんから。あくまでも参考人聴取です」
「はぁ…」
「別に構わねえよ?」

奥から莞爾と七海が出て来る。
どうやら話を聞いてたみたいだ。

「でも生憎宇佐兎さんは居ないんだ。俺ら二人で良いか?」
「…構いませんよ」
「良し!店番は頼んだぞ」

莞爾が左腕で苅麻の肩を叩く。
七海が苅麻の横を通るとき小さく言った。

「莞爾先輩の怪我は何とか治りました。見た目ほど酷い傷じゃ無かったみたいです」
「そっか。ありがとうな、七海」

四人が店から消えて一時間後。
店のドアの鈴が鳴った。

「いらっしゃい…って犬!?」

入って来たのは何と犬だった。
茶色い体をして、苅麻に寄ってくる。

苅麻が「なんか見覚えあるなぁ」と思ってると、犬が急に形を変え始めた。
次第に大きくなり、二足歩行になり、服は着物で顔は狐に…。

『今帰りました』
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