死に神の涙

二章〜各々の秘密〜

「なんだ稲荷か…。驚かせるなよ」
『匂いを辿ったら此処にたどり着いたんですが』
「…え」

嫌な空気が周りを支配する。
その空気を破るかのように軽快な声が響く

「たっだいま〜!」

宇佐兎が帰って来たのだ。

「あれ?見つかったの?」

宇佐兎が稲荷を見ながら言う。

「それが…」

苅麻は警察が来た事、匂いを辿ったら此処にたどり着いた事を話した。

「ねえ、苅麻君。その二人って身長どのくらいだった?」
「俺より大きいくらいですが…?」
「…ったく。嵌められたわね」

宇佐兎が悔しげに呟く。

「そいつら偽物だよ」
「嘘!?」
「稲荷!匂いを辿って!直ぐ報告!」
『承知』

稲荷が再び姿を消す。
便利な体だ。

「今日はもう店じまい!二人を助けに行くよ」

宇佐兎が片付けを始める。
苅麻はただ二人が無事であることを祈るだけだった。
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