死に神の涙
「にしても良く分かりましたね」

稲荷が指定して来たのは埠頭だった。
二人は車に乗り込み埠頭に急いでいる。

「当たり前よ。あたしの父親がBランク担当長だもん」
「…こりゃもう悪さは出来ませんね?」

苅麻がおどけて言う。

「そうよ〜?死に神と言えども逮捕だからね〜?」

それから小一時間。
埠頭に着いた。

二人は稲荷と合流し、倉庫に向かう。

「どうします?正面か側面か…」
「ん〜。稲荷。やっちゃって」

稲荷が扇子で倉庫のドアを叩く。
凄い勢いでドアが吹っ飛び、中で驚いた顔をする莞爾と七海の姿が見れた。
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