無色多彩

プロローグ

静まった広いだけの部屋にただ一人しかいない空間。


カーテンからほんの少し入る太陽の光りが、今は朝だということを教えてくれる。


だらしない着崩れした
ネグリジェを整わせる事さえも面倒に感じる。だけどもっと面倒な自分の体を怠そうに起こす。



胸より少し下まである
明るい茶色の髪−…


人よりほんの気持ちだけ細長い指。

指先から感じられるのは
一切料理をしなそうな長いスカルプ。

指先と同様、足の爪先にも全く同じに塗られた色の濃いブルー。


ほのかに気品さが感じられるスラリと伸びた長い脚。

その脚をベッドから立たせ窓に向かって歩くように仕向ける…。



そして…、勢いよく
カーテンを開ける。

半分寝ている脳にこれでもかと言うくらい太陽の光りがあたしを覆う。


あたしは思う。
また今日がやって来たのだと。