身長差15センチの関係 3

「これ全部、本物の炭だよね」

弟は、鉄板と下の台との間を覗き、自分から熱気にあてられる。

分厚く幅広い鉄板にあわせているので炭の数も多い。

ひとつひとつが灼熱色に染まり、順に爆ぜながら、普段は見ることのない塊で、周囲の空気ごと鉄板を焼いている。

鈴璃は、その音と熱の世界から、すぐに弟の肘をとって引っぱり戻した。

「危ないから、覗かない」

「はーい」

弟は、可愛い返事をして鈴璃に従う。

でも手を離すとまた覗き込みそうなので、離さない。

「高志は、本物の炭が燃えてるの見たことなかった?」

「うん、ない」

そういえばそうかも。

鈴璃も、燃えている炭を見たのは、香織の家族に誘われて参加したキャンプでの、バーベキューのときぐらいだ。

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