君だけに夢をもう一度
スタジオと中継で、司会の黒柳徹子が、ライブハウスで演奏している若者達に声をかけている。

その中のひとりの男性は、上半身は裸でギターを持って質問に答えている。
よく見るとバンドのメンバーはジョギングパンツ姿だった。

その姿に子供心の敦子にも、テレビからライブハウスの熱気が伝わる感じがした。

そして、その若者は「目立ちがり屋の芸人です」と、言って歌い始めた。

タイトルに『勝手にシンドバット』と書いてある。

その後、敦子がその男性の歌声に衝撃を受けた。

どう聞いても何を歌っているのか、よくわからなかったが、その歌い方にすごいパワーを感じて耳に残ってくる。
そして、こういうのも音楽なんだろうかと思った。

歌っている芸人もバンドメンバーも、そして観客も皆、音楽を楽しんでいるように見えた。
その夜から、敦子はその芸人の音楽が忘れられなかった。


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