彼と彼女の方程式
「遥ならなんか知ってるかなぁって思ってさ。
次の勇気ある挑戦者について。」
はっ?
『勇気ある挑戦者…?』
なにそれ?
「遥、張本人なのに知らないの?」
…張、本人?
『はいぃぃ!!!?』
今度はあたしが彩那に詰め寄った。
「ありゃ…。ま、落ち着きたまえ、遥君。」
彩那はそう言うと、少しニヤリとしてあたしの肩に手を置いた。
いやいや…落ち着いてられるかっ!!
あたしの知らない所であたしの名前が出回って、挙げ句に張本人って…。
「まぁまぁ。でも、理由聞けば遥も納得だから!」
ぽんぽんっとあたしの肩を叩き、ニッコリと笑う。
『…で?その理由は?』
「怖いなぁ…もう。」
無表情のあたしを見て、ホントに怖がってるとは思えないような声を出す。
『……』
「…逢澤君の別れる原因は遥って言われてるの、知ってる?」