彼と彼女の方程式

何の返事も返ってこない隣を見ると…



『…何よ、その顔…。』



ニヤニヤとする彩那に怪訝な顔をした。



「別に〜」


『…って顔じゃないし。なんなのよ、気持ち悪い。』


「ちょっと!!気持ち悪いってひどくない？」



彩那はむぅっとした膨れっ面をあたしに向けてゆっくりと立ち上がった。






『…彩那？』



立ち上がった彩那を見上げたらニコッと笑った。



…いや、ニコッなんて可愛いもんじゃなかった。


ニヤｯ…だった。





「…彼女って言って欲しかったんだ？」



……!!!



『…っ!!な、何言って「…あれ？違う？あたしにはそう聞こえたけどなぁ。」



……。



彩那の言葉に完全に否定出来ない自分がいる。



確かに絶対に彼女になりたくないって言うのは嘘になると思う。



でも……。



わかんない。




本当にそれが正直な気持ちだ。