アンバランスな恋心

長い夜


恐怖から携帯を握る

強く


手の平が痛くなるほど
指先の血流が悪くて
白くなるほど


私は握りしめていた


『バイトが終わったよ
すぐに行くから』


携帯が震えたときは
心臓が口から飛び出るのではないかと
思うくらい驚いた

光ちゃんからのメール




すぐ行くって



ここに来るまでに
何時間かかると思ってるのよ


瑛ちゃんがいるから


もう大丈夫だから


光ちゃんにだって
大学があるのに


私は
携帯のボタンを押した


震える手で
精一杯強がったメールを
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