【完】††Rising††
体育館のステージから降り、脇の倉庫兼控室に入る。



「ヤベー、ハイジ、かなり歌上手くなってたな。」



タオルを渡しながら順平が言う。



「なんか、ボーカルもいいな。」



「だろ?すかっとするしな!」



俺はミネラルウォーターのボトルを順平に渡す。



いわゆる、回し飲みだ。



「ハイジぃリエ、ジュース買って来るねぇ。」



リエは黒光りする長財布を持ち体育館の外へ出て行った。



さぁ、後は予選の結果を待つのみだ。



美恵はもう次を見据え、黒い涙を聴いているみたいだ。
< 203 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop