気まぐれお嬢様にご用心☆
「なんだよ……コレ」

「見ての通りよ、『学園祭名物!男装コンテスト!!』」

「いつものようにすご――く!!イヤな予感がするんですけど……」

「女子校にはありがちなパターンでしょ」

ありがちなのか?そうなのかっ!?

「ってか『生徒会』が主催なんだろ、お前には関係ない……」

「ちっちっちっ!相変わらず甘いわね~千晶は。翼が部活の方が忙しくて参加できないって言うから、代わりに私が生徒会を手伝っているってわけ」

「お前はクラスと部活はいいのか?」

「クラスは私がいなくても平気だし、陸上部は今年は何もやらないのよ、部員も少ないから」

「へぇ~」

……まさか……。

「だいたい察していると思うけど参加者が一人、急遽出れなくなっちゃってさ~だからお願いっ!!」

「俺だってなぁ~!!いろいろ忙しいんだよ。それにもうお前の『お願い』は聞かないことに決めたんでな。悪いけど他を当たってくれ」


「ああ~残念だなぁ~優勝者には賞金百万円なのに」


――ひゃ百万だとぅ?!


「……楓、ちょっと待て」

「チャンスをみすみす逃すつもり?千晶ならそのままで十分優勝狙えると思うけど」

「その話!!正々堂々受けてやる!!」

「よし!決まりねっ!」

この安易な判断は自分でも単純だな~と改めて思う瞬間でもあった。
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