イケメン☆パーティー

「おー、かわいいねえ。
おねーちゃん、どこ行くの?
オジサンと飲みに行こうよ~」

フラフラと千鳥足で中年男が寄ってきた。


こういうときは知らないフリ。

あたしは聞こえないふうを装い、ひたすら信号を見つめた。


「あれえ?
無視しないでよ~。
オジサン、さみしーんだあ。
仲良くしようよ~」

酔っ払いは馴れ馴れしくあたしの肩に手を乗せてきた。

ひえ~、触んないでよー!

体重をかけて寄りかかられ、あたしはふらついた。

これでは、聞こえないフリはできない。

「やめてください!」

早く信号変われ!!

心で念じるけど、こういうときに限って、ちっとも変わらない。


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