あの音が聞きたくて
家に帰ると、早速麻衣は
リオンに補聴器を付けようとした。

「リオーン、ちょっと我慢してね」

「ダーダー!」

両手を振り回し、
必死に暴れて抵抗するリオン。

「じっとしときなさい!」

麻衣が大声で叱っても
リオンは抵抗をやめようとしない。

(この子のために、
してあげてるのに。
何でわからんがよ!)

心の中で麻衣は叫び続けた。
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