プリンセス*Magic



香川先輩は、あたしより四歳年上の上司。

周りの職場の同性は、香川先輩の事を「イケメン上司」と呼んでいる。



あたしにとって、雲の上の存在である香川先輩。

それなのに、どうして…



「有末さん、頑張りすぎるなよ?」



フッと優しく微笑むと、財布を手に取り香川先輩も職場を後にした。





「…有末さん、ズルい」



「でも、あのイケメン上司が、有末さんなんかを相手にするはずがないでしょ」



ヒソヒソと聞こえてくる職場の人達の声に、あたしも急いで職場を出て行った。


…先輩の声が、あたしの脳を占領していく。




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