俺様王子の秘めゴト
謝ってすむ問題じゃないでしょ!!



何処の親?!



あんなでかい装花、あんな風にするには子供を抱き抱えてないと出来ないんですけど…。



「華南さん、どうしましょう…。」



どうしましょうってどうしましょうじゃないでしょ?



「とにかく、活け直すから花、すぐ用意して!急いで!!」



怒鳴る。



メイン装花があんなことになってるんだから穏便に済まそうとしても無理。



みんな気づいてるって。



だから隠そうとせずに大声を上げた。



「只今!」



門下生は直ぐに走り去る。



何だって今なのよ。



迷惑極まり無いんだけど。



「こっ…こんにちは華南…ちゃん。」



そこであゆ先輩に声をかけられた。



「あゆ先輩。」


「個展、見に来たんだけど…賑わってるね。」



恐る恐ると言った感じに喋るあゆ先輩。



「すみません、ちょっと今は…。」



でも構ってる暇はない。



「だよね…ゆっくり見てる!」



すいませんと心の中で謝り会釈してメイン装花の方に走っていった。



「華南さん!花!!」



とりあえずの措置で花器から花を抜いているとさっきの門下生が花を抱えて戻ってくる。



少なっ



「これしかない?」


「実演用にしか持ってきて無かったので…。」



どうしよう。



花器を変えるにも時間がいる。



このままじゃ活けられない…。



予想外のトラブルに戸惑いを隠せず焦ってしまう。



どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。


「華南!!」

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