俺様王子の秘めゴト
会場の外にはお茶が置いてあり、ソファに座ってため息をはいた。



「おーい、ため息。」



ストーカーか?



そこに再び現れる兄。



「何?」


「来たぞ。」



は?



英にぃを睨むと英にぃは親指で会場内を指した。



「生徒会御一行様。」



…はぁ、やれやれ。



「一々来ないでよウザいから。」



朝からずっと。



英にぃは私と視線が合えばケラケラ笑ってからかってくる。



ウザいの何ものでもない。



立ち上がり、着物を整えると会場内に戻る。



端を歩きながら視線を泳がせ玖城先輩達を探すと直ぐに見つかった。



制服が、一際目立つ。



再度ため息を溢す。



ほんとに来たんだ。



それも全員で。



ゆっくりと近付く。



ここで挨拶しないのは失礼だから仕方無く。



一歩一歩ゆっくり歩く。



何故か、近づいていくたんびに心拍数が上がってるように感じる。



「っ…あ」
「華南さん!」





…ちっ。



玖城先輩に呼び掛けようとしたその時に門下生の一人に袖を引っ張られた。



「…何?」



一気に不機嫌になる私。



「あの…すみません、どうも子供が触ったみたいで…」



は?



そう指差された先の花がぐちゃぐちゃになっていた。



てかあれ



「メイン装花じゃん!!!!!!」



会場の中央。



そこには一際大きく飾られていた花があった。



が、無惨にも花束は落ち、花器がすっかすかになっていた。



「何してんの!!!!!」

「申し訳御座いません。」
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