運命のヒト
「よし、行くぞ!!」

「おぉ・・・」


俺は、緊張の面持ちで1組に向かった。


ってか、水嶋と同じクラス、マジで嬉しい!

すげぇ嬉しい!!


でも、そんなこと健二には言えねぇし。


俺は、心の中で静かに「よっしゃぁ~!」って叫んだ。



「ってか、俺らって相変わらず腐れ縁やな」

健二が俺を見て笑う。

「本気で、腐れ縁過ぎるわ!」


俺と健二は、中学3年間、ずっと同じクラスだった。

それに比べて、俺と神田は一度も同じクラスにならなかった。

健二と話しながら教室に向かっていると、すっげぇ暗い顔をした神田と会った。


「おっ、美鈴~。
 また優士と同じクラスに
 なれんかったな~」

健二が神田に声をかけている。

「最悪だよ・・・」

神田は落ち込んでるのか?


「おい、健二、先行っといてくれ!
 俺、神田とちょっと話してから行くわ」

「分かった~!」

健二はそう言って、一人で教室に向かった。


「なぁ?別にクラス違っても関係ないだろ?」

俺は神田にそんなことを言った。

俺なりの慰めの言葉だった。


「うん・・・」

神田は、相変わらず落ち込んでいた。


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