運命のヒト
重~い空気が流れる。


俺は、重い口を開き始めた。


「神田、あのな・・・
 聞いてほしいことがあるんや・・・」

俺が話し始めると、神田は小さく頷いた。

「俺、他に好きな人が出来た」

「え・・・」

言葉を失くす神田。


「だから、俺ら別れよう・・・」


いきなりすぎたか・・・?

神田が怒って、怒鳴り散らした。


「はぁ?何言ってんの?
 そんなこと勝手に決めないでよ!」

俺は、そう言われて当たり前だと思った。

神田は、泣きわめいて、そこらへんにあるものを投げつけたり、俺に殴りかかったりしてきた。


俺が悪いことはよく分かっている。

だけど、ケジメをつけないと・・・。


ちゃんと、話さないといけないと思った。


「悪いと思ってる。
 だけど、俺、もう決めたんや」

俺がわけを話そうとした瞬間、神田がこう言った。


「好きな人って、桃子のことでしょ?」

「えっ・・・」


俺は、一瞬言葉を失った。


なんだよ・・・神田、知ってたのか・・・?

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