運命のヒト
神田との帰り道・・・。


いつも何か話してくる神田はさっきから黙ったまま。

一言もしゃべらねぇ。


俺も、そんな神田が気になったけど、何もしゃべらなかった。



・・・・・俺の家に着いた。


そして、いつも通り、二人で俺の部屋に入った。


「ちょっと、待っててな」

俺は、神田にそう言って部屋を出た。



一階に下りて、ジュースをコップにそそぐ。


あ~ぁ、なんか苦しい・・・。

別れるって苦しいもんなんやな。


俺、神田にちゃんと言えるんだろうか?


そんなことを思った。

だけど、言わないと何も始められねぇ。


よしっ!!


俺は、気合いを入れた。



「ごめん、ごめん」


俺が部屋に戻ると、神田は俺の部屋を見渡していた。


・・・気付かれたか?


神田からもらったものがすべて失くなってることに・・・。

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