運命のヒト
追いかけてやりたかった。

神田のこと好きだったって言ってやりたかった。

一緒にいて楽しかったって・・・。

でも、出来なかった。


そうすることで、俺は神田のことをもっと傷付けてしまうと思ったから。

最低なことしてきたって分かってる。

だけど、自分の気持ちに嘘はつけねぇから・・・。




こうして、俺と神田は別れた。


・・・別れってこんなもんなのか?


神田は俺がずっと水嶋のこと想ってたこと気付いてた・・・。


それでも、俺と一緒にいてくれてたんだな。

あ~ぁ、神田のこと、ずっと苦しめてた。



それから、落ち着いた俺は、健二に神田と別れたことを話した。


「これからは、軽はずみなことすんなよ!」

って健二に言われた。


別に、軽はずみだったってことはねぇけど。


俺が落ち込んでいると・・・

「これからは、桃子のことがんばれよ!!」

健二はそう言って俺の肩を叩いた。


そうだな、俺は、水嶋に好かれねぇとな。



この日、俺は決意した。


いつか、水嶋に想いを伝えるって。


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