DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
そんな複雑な心境に
飯岡が構うこともなく
シャッターを押し続ける飯岡
一体...
何十枚撮るんだろう
ストロボの残光で目の前が
チカチカし始めた頃
ようやく気が済んだのか飯岡は
カメラを近くのテーブルの上に置き
側にあるパソコンを
慣れた手つきで操作し始める
すると、背後のモニターに
無愛想なあたしの顔が
いくつも映し出される
恥かしい...//
いくつものモニターに映し出された
自分の姿をまともに見ることができない
「長谷川!!」
飯岡は近くにいた
スタッフを呼び寄せ
画面を見ながら何やら
指示を出している
チラッと見えた
他の女の子たちの写真は
みんなかわいらしい笑顔で
ポーズを決めていた
「...ぁの、森園さん?
サイズ...測らせて下さい」
メジャーを手にした
女性スタッフがあたしに声をかける
「ぁ..ハイ...//」
女性スタッフがカチカチと
メジャーを伸ばし
あたしの両脇へ腕を伸ばす
たくさんの人が行き交う
フロアの一角で
例え服の上からとはいえ
スリーサイズを測られてる
あたしって...
サイズを測り終えた女性スタッフは
それを用紙に書き込み飯岡に渡す
飯岡はそれを選んだ写真と共に
別のスタッフへと託す
そして再びあたしの腕を引き
「行くぞ」
そう言って
エレベーターに乗り込む